第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「デッケー木だな。……ん? うぉおー!! デッケー、カブト虫だぁー!!!!」
「ブラック☆スター、カブト虫を捕りに来たわけじゃないでしょ!!」
太い幹をよじ登ろうとする彼を制止し、椿自身の横に並ばせると、二人は目の前にある大木を見上げた。
何の木かは分からないが、幹には年季の入った分厚くて太い縄が巻かれ、和紙で出来たひし形の飾り物が一緒にぶら下がっている。"神木"として、この辺りに住む者たちが崇(あが)めているのかもしれない。
椿は、ゆっくりと神木に向かって一礼した。騒がしくしてしまったお詫びと、これから行く課外授業の村から無事に帰ってこられますようにと祈りを込めて。
そんな彼女の様子をジッと見ていたブラック☆スターも「次は絶対、カブト虫捕りに来るからな! 超ビッグなヤツを用意して待っていやがれ!」と神木にグッドサインをビシッと送った。