第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
二人を待ち構えたのは、たくさんの木々。その中へ自らガサッと入り、枝から枝へと自由にビュンビュン飛び移りながら、森を抜けていく。
移動しながらも周りに気配が無いか、ブラック☆スターは気にかけながら進んでいた。
「……降りるぞ」
立派な木の枝に着地したが、すぐ様その下に降りた。
「……大丈夫か? 頭、鳥の巣みたいになってるぞ」
「もう! いつも急なんだから!!」
髪の毛に刺さった枝や木の葉を取りながら、椿は ため息を吐き出した。
いついかなる場所でも、彼は自分を見失わない。それは、凄い長所だ。人は少なからず、不慣れな場所や初対面の人が集う場では緊張し、うまく自分を出すことが出来なくなる。また、気を使い、気疲れもあるだろう。
しかし、この男には緊張という概念が無い。ある意味、そこが短所でもある。おまけに、極度の目立ちたがり屋。そのせいもあり、二人の魂回収率は未だ0(ゼロ)である。