第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「ウッヒョー!! スッゲー眺め!!」
「うん! 風が気持ちいい」
山の中を歩いてきたブラック☆スターと椿。開けた場所に出ると見通しが良く、遠くにある山や川、近くにある村の様子まで伺えた。雲一つない青い空には不気味な太陽がニタニタと微笑んでいる。
「目的地、見つけたぜ!」
「え!? どこ!?」
「ほら、あの丘の向こう」
彼が指し示す方向に椿はジーッと目を凝らすも、丘すら見当たらない。それもそのはず。普通の人間の肉眼で見える距離を越えているのだ。
「……全然、見えない……」
「修行不足だな! 俺様について来い!! ほら行くぞ、椿!! ヒャッハー☆」
「え……まさか、ここから飛び降りるつもり!?」
「オゥ!!」
「え? ちょっと……キャーー!!!!」
椿の手を掴み、ブラック☆スターは開(ひら)けた場所から加速し、一気に飛び降りた。