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砂漠の月

第3章 砂漠の月151~172【完】


小さな小箱は何か判らないが、目を閉じろと言われて素直に目を閉じた月子の首筋にひんやりとした感触が触れる。
ピクリと肩を揺らすと時期にシャラリという音と共にぶら下がったのはペンダントトップが赤い薔薇の形をしたネックレスだった。

「晴久さん、これ……」
「花束でも良かったんだけどな、長持ちしねぇから。こういうのはいくつかあっても困らねぇだろ?」
「うん……ありがとっ」

僅かに不安そうな表情で色々言い募ってくる晴久に、ぎゅっと目を閉じた月子は勢いよく抱き着く。不意打ちに支えきれずベッドに倒れ込んだ晴久は、嬉しいの言葉にホッとした表情をするとぎゅっと抱きしめ返してころりと転がった。

「明日も学校あんだろ。もう寝ようぜ」
「うん、おやすみなさい」
「おやすみ」

大事そうに抱き込まれ、寝るのを促すように頭を撫でる手にこくりと頷くと月子は幸せな気分でそのまま目を閉じた。
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