第3章 砂漠の月151~172【完】
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「お市、月子ちゃん、あとは私達に任せて食べに行きなさい」
「あ、はーい」
義姉さまの許可が降り、ずっと台所に居たからお腹が空いたねとリビングに行ったら、お父さま方も兄さまと酒盛りしててリビングに入りにくいったら。
酔っぱらってる顔で弘元さまにおいでって手招きされたけど、飲み過ぎです顔赤い。テーブルの向かいで飲み過ぎだって訴えてるのか、元就に睨まれてるけどこれはあとでどやされるフラグ。
「いやいや、市姫ももう来年はうちの嫁か!信長には悪い事をしたなあ」
「うぬが義父でなければ首を捻り落として居るわ」
「月子~~、義父と呼んでくれぬか?」
「え、あ、はい」
「お父さま方飲み過ぎ。兄さまも」
貴方達の息子の顔が般若ですよ、酔っぱらって未来の嫁に絡んでるものだから空気がカオス。
笑顔だけど引き攣っていれば少ししか飲んでないのかシラフの興元さまに救助されて、元就の隣に座れば大丈夫かと心配されました。月子ちゃんも晴久の隣にぽいっと放って。興元さま強い。
「大晦日だからとて飲み過ぎぞ」
「まあ、今日くらいいいんじゃない?」
今は飲み過ぎで身体壊してる訳じゃないんだし。
もぐもぐと自分達で作ったオードブルやおつまみ摘まんで新聞のテレビ欄を見れば、もう音楽番組の放送する時間かぁ
観るのかと聞かれたけど流石に皆集まってるし、録画だけしておきます。
元就のお母さまが少ししょんぼりしながら、台所方面から来たので。どうしたのか聞いたら「帰蝶ちゃんに追い出されちゃった」って、うん、お母さま。それは駄目です。
「親父も祖父さんも少しペース落とせ」
「お前も小姑みたく口煩くなったなあ」
「誰のせいだ誰の」
息子と父親の攻防を見て苦笑い。晴久はとくに、昔お父さまを若くして亡くされてるから心配なんだろうね。
ある程度食事も並んだ所で、義姉さまと黒羽、雹牙も台所から出てきたので宴会は年を跨いでも続けられました。と言うか寝たの朝方ですって。
私は年を越してから直ぐ寝たんですが、朝リビングに向かったらお酒飲んでた大人組が兄さまに潰されて死屍累々。
これはえぐい。