第3章 砂漠の月151~172【完】
元就も晴久も私も達観してるから大人に見えるけど18です。
それでも、じっと見つめてくる記者見習いさんが私をマジマジと見て。ちょっとだけ撮っちゃ駄目?って。撮るのいいけどどこに使うの。ノーサンキューですよ
浅倉さんが一番私達を見てるというか。撮ってもあんまり使わないし。載せる前に許可取るし。
載った分のギャラなんか「お小遣いだよー」って持って来る辺りあの人のポジションは親戚の気のいいお兄さんと化している。
妙に悔しそうな見習いさんは今までの非礼を詫びて、背中に哀愁を漂わせて去っていきました。これ念の為浅倉さんに連絡した方が良いな。
「ストーカーじゃなかったんですね」
「もう、怖くないよ」
「はい!」
安心したのかにこにこ笑う月子ちゃんに微笑んで。
さあて、また普通の日常が戻るわけですな。
「市ちゃん達ほんとごめんね…ほら!岩崎も謝る!」
「本当に、す、すみませんでした…」
珍しくお怒りモードの浅倉さんが転がってきて、先日会った見習いさんの頭を地面に押し付けた。いつもポヤポヤしてる浅倉さんが怒ってるのに一番驚いたけど。
「そだ、今度ケーキバイキング行く時このアホも足に使ってやってよ、1回奢らせてもいいし」
「おい!浅倉おまっ」
「あ さ く ら さ ん」
「あ、浅倉さん…」
おいおい、この二人の力関係が理解できないんだけど。取り敢えず浅倉さんの本性が恐ろしい事は分かった。いつもニコニコして私達に優しいんだもん。