第3章 波乱
「リョーマくん…!リョーマくん!どこ?」
羅夢音の声が目立って響く。
何で戻って来ないわけ?リョーマくんってば…
羅夢音は走っていた足を遅めて呟いた。
グランドではサッカー部がミニゲーム。
そのとなりでは陸上部が筋トレをしている。
そんな人たちは、
羅夢音の眼に輝いて映されていた。
「……私も、早くリョーマくんのこと見つけなきゃ」
そして、羅夢音に希望を与えた。
再び走り出す羅夢音の瞳に映っていたもの。
それは……
明るい未来だったのかもしれない。
いや、リョーマのことかもしれない。
どっちにしろ、羅夢音の瞳は
輝いて見えた