第3章 波乱
「聞きたいことだと?何だ?」
手塚が羅夢音を見て言った。
「あ……いえ、その……」
羅夢音は戸惑ってうつむいた。
「そんなに遠慮しなくていいよ。手塚だって、そんなことで怒らないさ。」
不二は羅夢音の背中を軽く押した。
「……はい……。その……さっき、手塚部長がリョーマくんのこと、呼んでたじゃないですか。」
羅夢音はやはり遠慮ぎみに言った。
「あぁ。それがどうした?」
手塚は冷たく返した。
「リョーマくん…帰って来ないな……って……」
羅夢音は手塚から目をそらして言った。
「その事か。」
手塚は小さく言った。
「手塚は何か知っているのかい?」
不二が笑顔で聞いた。