第2章 不思議な日
「不二先輩……あんまり羅夢音のこといじめないで下さいよ?」
リョーマがため息混じりに呟いた。
「フフッ……それはどうかな……?」
不二は黒い笑みを見せながら言った。
「え……?え~と……」
羅夢音は今の状況が理解できず、混乱していた。
「そろそろ休み時間が終わるね……じゃあ、僕はこれで。羅夢音ちゃん……また昼休みにね……」
不二は笑顔で羅夢音に手を振りながら去っていった。
そして、羅夢音は茫然と立ち尽くしていた。
「羅夢音……教室戻ろ……?」
リョーマは羅夢音の手を握って歩いた。
その時のリョーマの瞳は、儚しげな色をしていた。
「リョーマ……くん……?」
羅夢音にはわからない。今の状況なんて……
その後、リョーマと羅夢音は言葉を交わさなかった。