第1章 新しい風
菊丸:「……延各羅夢音って……もしかして……。」
延各:「あ、あの……何か……?」
菊丸:「……タレントの?」
延各:「あぁ……。えぇ……まぁ……。」
うわぁ!!本物だぁ!!
という菊丸の言葉が部室に響き渡った。
不二:「……やっぱり、噂は本当だったんだ……。」
菊丸:「俺、菊丸英二だよ♪よろしくね☆ねぇねぇ!サインちょーだい♪♪」
延各:「は、はぁ……。」
なんということだろうか。羅夢音にサインをもらった菊丸は、はしゃぎだしてしまった。
手塚:「延各羅夢音といったか。」
延各:「あ、は……はい?」
手塚:「マネージャーを希望しているのは事実か?」
延各:「え……えぇ……そうですけど……。」
手塚:「お前は、女子テニス部に入らないのか?」
延各:「え……あ……いぇ……それは……。」
一瞬、羅夢音が表情を変えたかと思うと、
部室は静まりかえった。
手塚:「……すまない。今の話は忘れてくれ。」
延各:「いえ……気にしないで下さい。」
この時、羅夢音の顔はとても暗く見えた。