第2章 しあわせなゆめのはなし
「・・・・・・・・・ん」
「あ・・・ごめんなさい。起こしちゃいました?」
目を開けるとすぐ側にヒカリの顔があった。ヒカリは少し微笑みながら、俺の髪に触れていた。
「宗介さん、なんだかすっごく幸せそうな顔してましたよ。いい夢でもみてたんですか?」
「ん・・・あー、いや・・・覚えてねえ」
ヒカリに言われて思い出そうとするが、どんな夢をみていたのか思い出すことはできなかった。
「でも・・・」
「でも?」
「お前が言う通り、なんだかすげえ幸せで・・・懐かしい夢だった気がする」
はっきりとは思い出せない。だけど、幸せな夢をみた後の、あの甘ったるい感じが俺に残っていた。
「えっと・・・もしかして、その夢に私が出てたり?」
期待に満ちた目で俺を見つめてくるヒカリ。その様子に少し笑うと、俺はヒカリを自分の胸に抱き寄せた。素肌と素肌が触れ合う。小さなヒカリの身体の、でも確かな温もりを感じる。
「さあな・・・」
「さ、さあなって・・・もう・・・ふふ」
そう言いながらもヒカリも俺の胸に頬を擦り寄せてきた。
「でもまあ・・・お前もいたんじゃねえの?俺、笑ってたし」
我ながら何言ってんだと思うけど、きっとそうだ。俺が笑ってる時、その隣にはヒカリがいる。
「・・・・・・ふふふ・・・宗介さん、だいすき・・・」
そう言ってヒカリが笑うと、俺も笑って、その赤くなった頬に口付けた。