第4章 鍛練と迷宮
ケイト(私の命が…まさか精霊に繋がってたなんて…ごめんなさい;)ずうううん
精霊『その寵愛は、私が自分のやりたいことを貫き通した結果なのよ。
『あなたの行く末を見守りたい』『あなたを護りたい』という意志があった。想いがあった。
だからこそ、この方法を取るしかなかったの。
そうでなければ、この世に留まれないから…この寵愛は、私の我がまま。
護るつもりが、化け物と呼ばれて差別される要因になった。
我がままを通した結果、余計にあなたを危険な目に遭わせてばかりになった。
だから…謝るのは私の方なのよ。
あなたの未来を奪った発端は、私なのだから』
ケイト(全然説得力ない。
ああいう生みの両親だったんだからいずれにせよ不幸。
それを温めてくれたのは、お姉ちゃんと精霊だったじゃんか)
精霊『そうね…でも、街の人達に付け入る隙を作ってしまった。
あなたはもともと押しは弱くって、怒りながら押そうとしても…
結局は強く出れなくて、された相手の気持ちも考えて踏みとどまってしまう人だった。
父親に威圧ばかりされてきたから、余計にね』
ケイト「そうだね…せめて母親がもう少しマシだったら」もぐもぐ
精霊『仕方ないわよ。あんな父親と一緒に居たのよ?
朱も交われば赤くなるというでしょ?』
ケイト「たとえそうでも…期待してしまっていた」ぼそ
精霊『それこそ本質が変わってしまったんだから仕方ないわよ』
ケイト「…うん…そうだね……
街の人達も、威圧や主張・力の強い人の言いなりだったし…
何より私が言っても、聴く耳を持ってさえくれなかった」
精霊『そういう話が通じない人もいるわ。
あなたのいい所や本質を見定めていれば、きっと未来は違ったものになっていたはずだもの。
第一、フィンという方もここにいる方も、そこをちゃんと見定めてくれていたわ。
問題点があっても、それを説明して話せば改善しようとしてくれる。そういう素直な所も含めてね』
ケイト「!そうだったんだ…」
精霊『ええ。
街の人達はただ、理解し合おうともせず、説明したり気に食わない部分の指摘もしようともせず、話し合おうともせず、勝手に決めつけて一方的に痛めつけ続けてきただけ。
本当はあなたが嫌われるだけの謂れも罪もないのよ』