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Unlimited【ダンまち】

第88章 神聖たる導き





『え』

ケイト「この世に遣わされる時に見た」

淡々と言い切る中…


ケイト「これまでの人類の咎を裁き、一掃する
そんな役割は、お前には無かったはずだ

………


お前は…
全ての人類の咎を『記録する媒体』であって、それ以外の役割は何も持たない…

そうだな?」

鬼岩城「……はい」

ケイト「『裁きを下す媒体』はどうした?」

鬼岩城「全てチリに変わりました」

ケイト「やっぱりか…

そんな気はしていたんだ…
自然な地殻変動で起こったことだったから……


ごめんな…急に訪れることになって」

鬼岩城「いえ…このまま朽ち果ててゆく定めである事実は変わりませぬ」

ケイト「それでも……

ごめん…
一瞬とは言え、お前のことを疑った
その愚行を恥に思うからこそ…言わせてくれ

済まない」深々お辞儀

それに倣って、咄嗟に僕等も挙って頭を下げた


鬼岩城「いえいえ…

かつて、その役割を任されることに『なり掛けた』ことも事実ですので
……お力になれず、申し訳ありません」

ケイト「いや…それはこちらこそだ……

………
人類は‥…存在していていいものか?
お前にとっての目線で教えて欲しい、忌憚のない意見で」

鬼岩城「……
私は…社会性にあると思われます」
『?』

鬼岩城「問題があるとするならば…
文明レベルというよりも、人類の意識に関する側面でございましょう

人が人を気に掛け、個々の心を重んじ、大事にする…大事にされる
自然とそういう関係を築けるのであらば、それは大いに存在する資格があると言えましょう

しかし…その逆をされた方のみが死滅していっておりまする……


それを忘れず…絶えず自戒し、励めば…道は開けるかと思われます」

ケイト「なるほど…

参考になった
ありがとう」

鬼岩城「いえいえ
もう行かれるのですか?」

ケイト「ああ

……
少なくとも…

人が住める地になるように……
願わんばかりだな」

鬼岩城「ご尤もで…
しかし…この火は四日間続きますぞ?

その後、海底火山に伴う地殻変動で、陸地の部分も大きく変動しますし」

ケイト「知ってる

わかってる…

それでも……行くよ


大事な思い出が詰まった地を、このまま捨て置くことなんて出来ないから

残せる部分だけでも残したい
あくまで、未来に悪影響を及ぼさない範囲で」真剣


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