第88章 神聖たる導き
ケイト「まずは鬼岩城を知らなければ話にならない
大体の位置でいい
教えてくれ」
エル「はい!」
大まかな位置を教えてもらい、僕達は神速艇で燃え上がる海の上を駆け出していった
水上都市オルガノも無事らしい
オリンピアも結界のお陰で難を逃れたという
海沿いにあった精霊都市アルルェーチェも、空中都市コクーンも同様に…
全て神国として、世界樹の連理木があるから……地形に変動も一切無く、皆無事で全員大丈夫だった………
世界樹、始祖神の涙、等々の精霊界(全て神域と化していた、原初の神が宿った原初の魂がそれぞれ訪れたことで)…
全て、神域となっていた地域となっていたことで無事だった…
人が立ち入れない場所だからというのも大きいのかもしれない……
そうこう考えている内に、目的地へ着いた………
深海…
水中の奥深く…
静か過ぎるその場所は…却って不気味なほどで
どこからか視線を感じ出した
フィン「気を付けて」ケイトを振り返る
ティオナ「何かいる」視線の方向へ目を向ける
ケイト「…」反対方向に目を向ける
レイ「?ケイト?」
ケイト「視線はダミーだ
ここにある」がっ!
小さな幅広い平べったいマンホールのような岩を蹴飛ばす
古い階段が、そこにはあった
ケイト「降りるぞ」
淡々と、静か過ぎる程に、真剣な表情のまま進んでいく
最後に表情が変わったのはいつだったか…救えず、歯噛みした時以来ずっとか
その心配をよそに、ケイトはずんずん進んでいき…ある位置で足を止める
ティオナ「?行き止まり?」
ケイト「よく見てみろ
海流の流れが僅かに違う
吸い込まれる流れがある
そこが扉だ」がっ!
右手の指を全て隙間に滑り込ませ、右側へ勢いよくスライドさせる
鬼岩城「よく来たな」
おどろおどろしいほど底冷えした声が響いた
神殿のような場で、一番奥にそれは鎮座していた
人の顔を模した不気味な仮面だった
ケイト「お前は何者だ」
鬼岩城「用件はわかっている
私を始末するつもりなのだろう?」
ケイト「いや…返答によってはその限りでは無い
どういう役割でこの地に遣わされた?」
鬼岩城「信じられんかもしれんが…
私は何もしておらん
ただ…記録を取り続けていただけだ
この地殻変動は元より定められしもの」
ケイト「知ってる」