第88章 神聖たる導き
オラリオは…
件(くだん)の神殿と神国分店のみ無事で
英雄橋はケイトの英雄像を除いて、全て文字通り消え失せていた
その近くに避難していたもの(癌と隠れ癌ではない)のみ、難を逃れ助かっていたことから…『救済の使者』と末永く言われた――
まあ強ち間違いでも無い(この世を実在化させる為に、世界を消させない為にこの世に遣わされ、生まれて来たから)
『世界同盟』は、地球上の全ての国と結ばれており、
同盟国の全てが挙って、神国分店と神殿、ケイトの英雄像を作っていたことで、同じ現象が他所でも全国各地で起こり、現実となったそれに…
畏怖すら覚えたという―――
かく言うケイトは英雄像の建設には反対していた為(ケイト曰く「権威を示しているみたいで嫌!」)…複雑な想いに駆られていたようだ―――――
滅んだアトランティス…←4067ページ参照
そこにある言い伝え、伝承があると、エルは言った
ムー連邦にて代々語り継いできたものらしい
エル「古より口伝で伝えるようにと言われていたのですが…
鬼岩城というものがあり…
これまでの人類の咎を裁き、一掃するだろうと」
リュー「つまり…今行われているのは…」
アスフィ「制裁…という訳ですね」頷
エル「黙ったまま頷く)
それも粛清という…全ての人類を、動物達を、巻き込むやり方で……」
ケイト「地獄という監獄があるだろ…
この世で犯した罪を、罪を罪とも思わない心を罪として裁く、牢獄が…
地獄の鬼はその監守だろうに…」
エル「しかし…今現実になっていることは明らかです」
ケイト「………
それでも…
大災厄は起こるんだろう」
フィン「君は…何が言いたいんだい?」
ケイト「……
鬼岩城なんてものがあっても無くても、これは起こり得る現実だ
止めないつもりは無い
でも…地殻変動がただの現象で、人為的なもので無いのなら……止めない
もし無理に止めれば…ひずみが生じ、未来に影響を及ぼす…
それも……今度こそ星が滅びる程の大災害になり兼ねない……
問題を先延ばししているだけに過ぎない…
いや、それ以上の問題にまで発展させ兼ねないことだから……」
フィン「なるほどね…
人為的にせよ、一度起こったことは変えられない
元には戻せない…
もし無理に戻せば…反動でどんなことが起こってもおかしくはない」