第88章 神聖たる導き
『火の四日間』……
それは…
全ての大陸を呑み込み、灰燼と化し、焦土とし、一面ガラス化させ、全てを消滅させたという
その日…
その時……
全ての大陸は海に沈み、陸地が変貌を遂げた
かのムー大陸のように――悪しき人々が立ち入れないようにする為に、悪しき人々から守る為に…かつてそうされたように……
極東へ向かう道中だったが行き先を闘国へ変え
真っ先に始祖神化して飛び込んでいった…
胸の下までの純白の長髪を背に棚引かせ、コートのような服装でウィービングを手に全ての事象を文字通り斬り払い、今生きている全てを神速艇へ一時避難させた
死んだ遺骸も連れて……
蘇生を試みたが「癌と隠れ癌」のみへは出来ないようにされていた…
『寿命、天寿を全うしたことによる死亡』と全て表記されていた……
ケイト「くそっ!!!」だあんっ!!!←地面叩く
フィン「手分けして動こう
各国へ散ってくれ」
リヴェリア「わかった」
アイズ「任せて」頷
ティオネ「はい!」
それぞれ各地へ散っていった
各自、無事なものを全て避難させて回っていった
それは全国に至るまで続き…学区も含め全てが壊滅していた
もしもモンスターまでいたらと思うと心底ゾッとした…
モンスターと災厄から絶え間なく攻め立てられ
主神を失った冒険者は悲惨にも即座に死に絶え
神の力が無い冒険者は戦い続けざるを得なくなり、戦っても武器が使えなくなれば素手で戦わざるを得ず
長期戦になれば囲まれて蹂躙されて終わる
どちらにせよ死んでいくのは明白
時間の問題だ
特に竜の谷をそのままにしていたら…人類も動物達も全て死に絶えること間違いなしだ←4805ページ参照
一番の変化は…ダンジョンもその地形変動に巻き込まれ、モンスターを生み出す機能が停止し、死んだことだ
僕の故郷は無事だった
いや……ケイトが携帯を各自に持たせてくれていたお蔭、か;(たらーり)
癌と隠れ癌が一人もいなくて何よりだが…これはいいと思っていいものなのか;手放しで喜んでいいものか;(う~ん)
複雑な胸中へ至り、想いを馳せる間もなく全てが焼き払われる直前だったこともあり…
一先ず全員を神国へ避難させることにした
極東の避難も済んでいた
神の中にも「癌と隠れ癌」がいたようで、それのみが天界へ送還していったと言う方が正しいのだろう