第88章 神聖たる導き
泣き崩れた←膝から崩れ落ちる、自身で地面に手を付いて倒れるのを止める中声が響く
シルフィ『ひとりじゃないよ』←左手の人差し指にある原初の世界神から貰った指輪から顕現し、諭すように、寄り添うように耳元で囁く
ケイト『ごめん…
ごめん……
傍に居て
シルフィ…お願い
お前だけでも、傍に居て
原初の神々界に行っても…傍に居て←震え滂沱の涙が頬を伝っては落ちてゆく
二度と触れられない
二度と抱き締められない
どんなに触れたくてもどんなに抱き締めたくても叶わない
わかってる…叶わないことぐらい
でも……
それでも…っ!!
一緒に過ごした魂で…出来なきゃ……なんの意味もないんだ!!!!!←瞑目し、滂沱の涙を止め処なく流す
泣き止んだら…いつも通り頑張るから
だから……
ごめん……今だけは…
ただ……泣かせて
出来なくなることも…全部…わかってるっ
呑み込むから……
やるから……
だから……ごめん………今だけは……………
泣かせて』
シルフィ『傍に居るよ――
大丈夫―』
ぎゅうっ
抱き締めてくれた
ケイト『ありがとう――』
止めどなく溢れ出す涙は止める手立ても無く、ただただ…変わらぬ想いと共に川のように流れ落ち続けていった
助けて――
その声は……何処にも届くことは無く、流れ落ち続ける涙に掻き消されるほどに…小さく在った
ただ……そこに、在った
記憶が無くなっても
二度と手に出来なくなっても
一番大好きで大事な人を忘れて…
二度と、好きという気持ちが持てなくなったとしても……
一番忘れたくない気持ちも、人も、何もわからなくなっても………
負担を掛けたくない気持ちも
全部削られて消え去ってしまって、二度と…
戻らなくなったとしても…手に出来なくなったとしても……
木之本桜「傍に…居るよ←目に光を無くし跪いたまま動かない李小狼に、瞑目し、跪いて頭を抱き締める
ぜっったい!
絶対…!!離れないから!!」
ぽろっ←小狼の右目から涙が溢れ
ぽとっ←頬を伝って落ちる
李小狼「?
(何で…
泣い…て?」
木之本桜「心細いよね
不安だよね
恐いよね←手が震える
ごめんね…(じわっ)←涙が目尻まで溢れる
ごめんねっ(ぽろぽろ)←瞑目し涙が両頬を伝って止め処なく流れ落ちてゆく