第4章 鍛練と迷宮
リヴェリア「父の暴力を度々振るい続ける環境故、父にも母にも相談できなかった。
家庭もダメ、街もダメ、ならば絶望して受け入れる外あるまい。
その点に関してはよくわかった。だがそれを踏まえても自分というものを持つべきだ。
どうしたいか、どう思うか、それは生きていく上で重要になる。
友がいて群れる相手もいて、分かつ相手もいる者にはわからない苦しみだろうな」
アイズ「うん…わからないけれど、想像はできる。
立場上一人きりの状況下で何度も何度もされたら堪ったものじゃない」
フィン「それも何年もだからね」
椿「傍若無人とはこのことだ;そのような理不尽は人形にでもやって欲しい」
ヘファイストス「過ぎたことはいくら言っても返ってこないわ。
二度とその過ぎた時間は返っては来ない。
問題は、そのことを経て自分がどうあるかよ」
フィン「そうだね。本当にその通りだ。
ケイト、自分で考えてごらん?
もし僕らが逆に、君と同じことをされたらどう考える?」
ケイト「そんなのダメだ!!」
フィン「それは何で?」
ケイト「何でって…そんなの、一方的過ぎる」
フィン「そう。それが普通の考えだ。
確かに君にも悪い所や問題点はあったかもしれない。
何が悪いか尋ねようとしなかった。君もまた理解を怠った。
極端に関わらなければいいと考え、道を狭めたこと。とかね。
それでも、だからと言って一方的に傷付けていいわけじゃない。
彼等もまた同じく、それを怠った。
だからこそ、前にも言ったように『考える』んだ(がしっ、ケイトの肩を掴む)
答えが出るまで、正しい情報を持って自分という在り方を見つめ直すこと。
それこそが今の君にとって一番必要なことだ。
彼等はいつでも問題点を指摘できた。嫌だと感じる部分を言えたはずなんだ。
それを飛ばして、一方的に決めつけて罵り傷付け続けてきた。
たとえそれが冗談だとしても、『死ね』とか『殺すぞ』という言葉は、決してそれで済ませていいものではない。
よく考えろ。そして見つめ直せ。
自分の為すべきことを。一杯考えてその先で、『自分』という在り方を掴むんだ。
今はわからないかもしれない。
それでもそれは、生涯の道を指し示すコンパスになるはずだ」
なんとなく…大事なことのように感じた。
何より、心から私の未来のことを案じていた。