第3章 まんざらでもない
「おっはー、華美と旭野くん」
「あ、おはよう、まゆみ!」
「眞由美先輩、おはようございます!」
学校に着くと、クラスメイトで親友の眞由美がいた。
「じゃあ、またね。」
「はい!今日もありがとうございました!また昼休み、行きますね!」
そう言って犬夜くんは自分の教室まで走っていった。
「これでまだ付き合ってないだなんて…」
眞由美が私の机に頬杖をつきながら言った。
「華美さ、まんざらでもないよね?実はさ、旭野くんのこと好きなんじゃないの?そうだと思うんだけどなぁ〜〜」
ニヤニヤしながらこちらに視線を向けてくる。
「好き…なのかなぁ…?」
「お?やっぱりそうなんじゃん!そのこと旭野くんに言ったら喜ぶと思うのになぁ〜〜」
「いや、まだ好きって決まったわけじゃないし…」
「えっ、じゃあなんで、好きなのかなぁ?って思うのさ」
不思議そうな眞由美に、私は答えた。
「なんだか、最近、犬夜くんといると楽しいなって思って…」
「へぇー、面白いなぁ…」
「へ?」
やけにニコニコしている眞由美の言葉が聞き取れなかったが、
「ま、華美のペースでいいんだけどね。あまりにもお似合いだからさ」
と言って、自分の席に戻って行った。