第1章 本丸へ
「さあ新しい仲間も増えたことですし、陸奥守様の様子を見に手入れ部屋へと戻りましょう」
『はいはい。あ、2人は自由に本丸内をみておいでん』
「わーい!いっしょにたんけんしましょう!」
「は、はい!では主さま、また後で」
『またね』
そうして2人と別れて手入れ部屋へと向かう道中、こんのすけに文句を言った。
『ちょっとこんのすけくんよー自己紹介の邪魔しないで欲しいなー』
「あずささま!!」
『はいぃっ』
「……決してあずさ様の名前、真名を刀剣男士に教えてはなりませぬぞ。決して。どうか、こんのすけと約束して下さいませ。約束を破ったら油揚げ100差し出して頂きます」
『うん。約束すぅr…ってなんで油揚げあげにゃならんの』
「わたくしの好物だからで御座います」
『……それは置いといて、なんでダメなの?』
「神隠しで御座います。一度神隠しに遭ったら最後、二度と現世へと帰っては来れませぬ。政府の力を持ってしても」
『こえ~…いや本当にこえーよこんのすけ!私嫌だよ!ジロリの名作、千と○尋の神隠しみたいなクレイジーな世界へなんか行きたくないよ!?』
「……どんな世界かは存じませんが、行きたくないのであれば真名を絶対に教えないことです」
『分かった』
話し終わった頃には手入れ部屋に着いていた。
『陸奥~入るよ』
「おお主!」
『ッっ!!』
陸奥を見た瞬間、目から涙が滝のように溢れだし、陸奥の前で土下座をした。
額を床に擦りつけ、泣きじゃくりながらひたすら謝った。
主の情けない姿に幻滅することもなく、陸奥は私の横に座ると、泣き止むまで背中をさすってくれた。
「ほがーに気にしのうていい。ちっくと修行が足りんかっただけぜよ」
『………どこか、まだ痛む?』
「いんにゃ!もうすっかり元通りちや!」
『…それなら良かった』
なんて男前なのだろう。現世にこんなイイ男はいない。
非常に不謹慎だが、陸奥に惚れ直してしまった。
『そうだ、新しい刀剣男士が2人増えたんだ。顔合わせする?この本丸のどこかにはいるから』
「おお!それは楽しみじゃ。新入りは、どがな奴じゃろうなぁ」
『2人とも可愛い子だよ』
私達は、かわいい短刀2人を探すために、このあと数時間本丸を彷徨う羽目になった。