第1章 本丸へ
『んぅ…』
「あ、お目覚めですか?審神者様」
『…ここは?審神者って?』
「はい!ここは現世から隔離されている異空間に存在する本丸でございます。そして、 あずさ様はこの本丸の審神者、つまり、主となられたのです」
さっきからこの狐が何を言っているのかさっぱり分からん。
確か…畳という名前だったか。その畳の上で胡座をかいて両手で身体を支えた。
『さっぱり意味が分からないです。すみません。その前に、なんか座るもの無いかな?直に床に座るのは腰に負担が…』
こんのすけはハッとして、押入れから何かを取り出していた。
「どうぞ!」
嬉しそうに尻尾を振りながら渡されえたのは、座布団だった。
『私の説明が足りなかった、ごめん。できれば背もたれのある椅子が欲しいんだけど…』
「御座いません。審神者様にはこれから昔ながらの生活を送っていただく故、椅子などは用意出来かねます。申し訳ありません…」
『ええー』
もう胡座で座っているのが辛く、後ろへと身体を倒した。
「審神者様、椅子は用意出来ませんが、座椅子でしたらお持ち出来ます!」
『どんな物か知らないけど、それで良いよ』
寝っ転がったまま呟くと、ポンっという音が部屋に響いた。
『んが!?』
「どうぞ!」
『どうぞ、じゃないだろ!なんで私の腹の上に座椅子を出すんだ!?』
座椅子を出してくれたのは良いものの、それが私の腹の上で出現した為、見事に腹を直撃したのだ。
「………それでは本題に入りましょうか」
『……無視か』
腹をさすりながら座椅子に座ると、こんのすけに向き直った。
『あずさ様になって頂いた審神者とは、歴史修正主義者、すなわち時間遡行軍を唯一斬滅させる事が可能な「刀剣男士」を顕現させる力を持つ者のことで御座います」
私は、真剣な顔で頷いた。
意味は理解していない。
『なんで私が審神者に選ばれたの?』
「それは政府の方で決めているので、詳しい基準は分かりませんが誰でもなれるわけではありません。それに、審神者に選ばれた事はとっても名誉なことで御座いますよ!日本の国民が歩んできた歴史を守れるのですから!」
『へー凄いんだね、私』
「はい!あずさ様は凄いんです!」