第1章 本丸へ
『はあー今日も良く働いたな〜』
私が生活している現在、2205年は、殆どの仕事がAIに代替されたため、我々人類の仕事はAIのメンテナンスと予期せぬ事態への対処が主である。
それでも私にとってはなかなかの重労働だ。
車へ乗り込むと、目的地を自宅へと設定し、そっと目を閉じた。
この時代は車の自動運転が当たり前で、一度目的地を設定すればあとは何もしなくて良い。
心地良い揺れに眠気を誘われ、自宅へ着くまでに、いつものように一眠りすることにした。
数十分後、自然と目が覚めた。
『んん…まだ着かないの?』
もうとっくに着いていてもおかしくないのいのに、未だにナビから到着の音声が流れない。
『うわ!?なにこれ…』
ナビの画面を覗き込むと、画面が何やら歪んだ様な不気味な模様が映し出されていた。
車が動いている気配もなかった為、外を覗き混んだらナビの画面と同じ光景が外にも広がっていた。
『え!?どこよここ…なんかの機能か「こんばんは!」』
『え?』
おいおいおい待て待て待て
今の声はナビの音声ではない。ということは…
私は恐る恐る視線を車外から車内へと移した。
『うわああぁあ!?どっから入った!?怖い怖い怖いぃい」
「お、落ち着いて下さいませあずさ様!わたくしは決して怪しいものでは御座いません」
『………』
「その目は疑っているのですね。ご安心を!わたくしは管狐のこんのすけと申します。政府の命により、貴女様を新たな審神者としてお迎えに上がりました」
『……は?さにわって?』
「今は時間がございません!兎に角一緒に参りましょう!」
『え、ちょっと待って!参るって何処へ!?』
「勿論、貴女様の本丸へです」
『ほんまる?』
「さああずさ様!行きますよ!それ!」
『は!?……え、あ、うわああぁ!!』
こんのすけは言い終わるや否や私に向かって飛ぶとパッと眩い光をその小さな身体から放った。
刹那、腹を鷲掴みにされたような浮遊感に襲われた。