第2章 新しい仕事
刀剣男士にばかり負担を掛けてしまうが、その分彼らのためにうんとお金を使ってお礼をしよう。
「審神者様。こちらではお金のことを小判と呼んでおります。こちらをどうぞ」
こんのすけに渡された巾着には、小判と呼ばれたものの束がいくつか入っていた。
『これがここのお金か。一枚ににはどれくらいの価値があるの?』
「ご安心を。町の店に小判の必要枚数が表示されていますので、そちらを御覧頂ければと」
『そうなんだ!現世じゃもうカードかざしてピッが当たり前だから、実物のお金を使って払うなんて…ちょっと楽しみ』
買い物ができると分かって、うきうきしていると、こんのすけが小首を傾げて尋ねた。
「ところで審神者様。買い物は構いませぬが、他のお仕事はいかがでしょうか?」
『あ』
そうだった忘れてた。
畑もやり方が分からんし、馬の世話もどうやるのやら。
『畑と馬のお世話ってどうすれば良いの?』
「それは審神者様のお仕事ではございません!審神者様のお仕事は刀剣男士を顕現させ、手入れを行い、出陣や遠征へ向かわせることです!このおバカさん!」
『え?今ば、バカってい「あれから鍛刀はなさったのですか!?まだ三振りしかいないではありませんか!買い物へ行く前にまずは鍛刀をなさって下さいませええぇ!」
『はひいいぃぃい!』
剣幕な顔でまくしたてられ、悲鳴に近い返事をして駆け足で鍛刀部屋へと向かった。
辿り着く頃のは息も切れ切れだった。
『なんだよこんのすけの奴。ちゃんと説明しなかったそっちが悪いじゃん…』
ブツブツこんのすけの文句を言いながら、昨日教えてもらった通りに資材を釜の中に入れていく…もちろん冷却水以外をだ。
結果は40分と1時間30分。
『40分と1時間30分かぁ…短刀ではないよね。陸奥と同じ打刀とかかな?』
長時間ここで待つ気になれず、買い物リストでも作る事にした。
自室へと戻り、またもや驚いた。
「あ、お戻りなられましたか審神者様。こちらの文机をご用意させて頂きました」
『お、おおう』
正直こんのすけとは顔を少し合わせずらかった。
しかし、あちらは何事もなかったようにいつも通りの口調で話していたので、気にしないことにした。
文机か。部屋に机があるのはありがたい。
そういえば、箪笥と着物を用意してくれたのもこんのすけなのだろうか。
