第2章 新しい仕事
朝餉の後片付けを追え、玄関で陸奥達が来るのを待っていた。
『はあ~朝餉はさんざんだったな…』
待っている間に考えてしまうのは、先程の朝餉だ。
味噌汁、焼き鮭、白米。
味噌汁は飲料みたいに啜ればいいから問題なかったが、他はあの細長い棒を巧みに使わなければならず、なかなか食べられなかった。
『誰かに付きっ切りで特訓してもらわないとなー』
「あるじさまー!」
そんなことを考えていると3人が到着した。
そこでふとあることが気になった。
3人は昨日からずっとこの戦装束を身に纏っている。
それでは身体を休められないのではないだろうか…
「主。待たせてすまん」
『気にしないで。そうだ、隊長は陸奥ね」
「わしが長か!?おんしゃあ、わかっちょるのお!」
「陸奥守さん、よろしくお願いします」
「よろしくおねがいします!」
「おう!よろしゅう!」
外に出て、陸奥は円盤の操作を始めた。
昨日はあんなことになってしまったが、今日は五虎退と今剣もいるからあんな悲惨なことにはならないだろう。そう願う。
「よし!それじゃあ主、ちっくと行ってくるぜよ!」
『ご武運を』
うん!と力強く頷いた3人は、光る正門へと消えていった。
『さてと、畑というものをやらなきゃいけないが、それが何なのかさっぱりだ。困った』
「審判者様!おはようございます。お仕事順調ですか?」
廊下を歩いていると、こんのすけがポンッと目の前に現れた。
この際、色々聞いておこう。
『こんのすけ、買い物できるお店ってあるの?通販とかは?お金はどうすればいいの?私一文無しなんだよね、金くれ』
「そんなに一気に喋られてはこんのすけの頭が混乱してしまいます!えーと…買い物でしたら、町にて可能で御座います。円盤の作動によって光っている時以外でしたら正門からお出かけ頂けます。」
『へえーそうなんだ……金』
「お金は御自分で稼いで下さいませ!こんのすけは審判者様の金袋ではございません!」
『…まあ、そりゃそうだよね。町には求人広告とはあるの?あ、あのタブレットから探せない?』
「その必要は御座いません。刀剣男士を出陣させて頂くだけで、審判者様はお仕事をしていることになるので、お給料がじゃんじゃん入ってきます!」
『じゃんじゃん…』
「はい!じゃんじゃん!」