第2章 新しい仕事
『ありがとう。そうだ、この着物と箪笥もこんのすけが用意してくれたの?』
「はい!気に入って頂けましたか?」
『すっごく良いよこれ!ありがとね』
袖をばっと広げて喜びを表現してみせると、こんのすけは目を細めて笑った。
笑うとこいつ可愛いじゃないか。
「それでは審神者様、こんのすけはこれにて失礼させて頂きます」
『うん。気をつけて帰ってね』
こんのすけは一礼すると、ポンッと1回転をして消えた。
さっそく貰った文机に寄り、引き出しを開けてみた。
『おお。こんのすけのやつ、気が利くじゃん』
そこには紙が入っていた。
紙を取り出し、次の引き出しにペンが入っていることを期待した。
が、見事に裏切られた。
『な、なんじゃこりゃー!』
そこに入っていたのは筆と黒い石みたいなものだった。
『前言撤回だ!あいつ全然気が利かねえぇえー!』
この本丸での生活は楽ではない。しかし、そんなに悪くはない。
慣れるまでは大変だけど、新しいお仕事がんばるぞっと。