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本丸生活、波乱万丈なり

第2章 新しい仕事



広間へと入った私は、安堵してうっかり着物の前を押さえていた手を離してしまった。
その光景に3人は唖然とする!

「なんて格好をしちゅーが!主」

「あ、あ、主さま!そんな格好で歩き回ってはだ、だめですよ!」

「ぼくたちは、かたなですがおとこでもありますからね!」

本当に申し訳ない。
これではまるで露出狂ではないか。

『ごめんごめん!着物の着方が分からなくて…教えてもらえばいっか。と軽い気持ちでした。すみません!』

「主はおなごやき、注意せんといかんぜよ」

顔を赤くして注意する陸奥はなんていうか……可愛い。
五虎退なんて顔すら合わせてくれない。でも見えてる耳は真っ赤だ……可愛い。
今剣は……顔も赤くなく、至って普通だった。もしかして女性の裸を見慣れすぎていて余裕があるのか!?なんと!?
顔の赤い2人に頼むのが申し訳なくて、私は今剣に着物を着せてもらうことにした。

『今剣、これどう着るか分からなくて…お願いできるかな?』

「まかせてくだっさい!あるじさまは、ここをこうやっておさえててくださいね」

今剣に指示された通りにし、あれよあれよという間に着終わった。

「どうでしょう」

『完璧!ありがとう!』

着せてもらった着物の袖を前後に振ったり、回って見たりして着物を堪能する。

「良う似合うちゅーよ!主」

「とってもお似合いです!」

顔を赤くしていた2人は元通りになり、嬉しいことを言ってくれる。
その言葉を私は素直に喜んだ。
現世ではそんな素直に褒めてくれる野郎はいないから純粋に嬉しかった。

『ありがとう!朝餉、待たせてごめんね!食べよっか」

そうして4人で朝餉を食べ始めた。

『あ、今日は3人で出陣をお願いね。場所は函館だよ』

3人は真剣な面持ちで頷いた。
……あ、わざわざご飯食べてるときに言う必要ないじゃないか、失礼だよな、私。
普段なら食事なんて1分で終えられる。
しかし、昨日の夕飯が楽しくて、あんな感じでこれからは食事をしたいと思っている。
これからは気を付けよう。

その後、悪戦苦闘をしながらもなんとか朝餉を終え、3人は出陣の準備をしに部屋へ戻った。





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