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妖じゃなく婆娑羅者

第1章 本編00~06【完】


02

「ほう、君は彼の友人帳を持っているのかね?」
「え・・・」

思わず1歩後ずさって、声をした方を見ると
壮年の男性が此方を見て、薄く笑っている

短い髪をオールバックに、きちっと洋服を着こなして。
普通に出会ってたらかなり格好いい人だ。
でもこの感覚、晴久さんや元就さんと感じが似ていて。

「市さんのお知り合いですか?」
「おや、彼女を知っているのかね」
「あ、はい・・・色々気に掛けて頂いてます」

貴方は?と聞こうとして止めた。
もしかしたら知ってる武将かもしれない、まさか友人帳を狙って?

「君の持つ友人帳を戴こうと思っていたのだがね」

武将相手に、俺がどこまで抵抗できるか分からない
キッと睨み付けると
安心したまえ、と片手を上げ

「これ以上彼女に嫌われたく無いのでね、其れは諦めよう」
「・・・貴方は?」

そう聞いた瞬間、にゃんこ先生がドロンと姿を変えて目の前の人を威嚇する

『松永久秀、こいつはもう市姫のお気に入りだ。去って貰おうか』
「斑か、貴殿の守護もあるのだね」

松永久秀?!あの梟雄と言われてる?
逃げてもだめだ、どうしようかと思った時

「松永さま?その子に目を付けるのは駄目よ?」
「君か、何。君にこれ以上嫌われたく無いのでね、諦めた処だよ」
「それが良いわね」
「市さん」
「夏目くん、驚いたでしょう?もう大丈夫よ」

市さんがふわりと笑って俺の頭を撫でてくれて
ああ、助けられてしまったんだと。情けなくなった

「では今日は月見酒に誘っても?」
「しょうがないわね」
「市さん」
「ん?なあに?」

ぎゅうっと抱き締められて、市さん恥ずかしいです!

「ありがとうございます」
「どういたしまして」

俺もう帰りますと言ってペコリと挨拶をして振り向いたら。

「よっ、送るぜ」
「晴久さん!」

結局、皆さんに助けられてしまった。

にゃんこ先生は猫の姿に戻り
晴久さんと色々話してて

あ、何か怒られてた。
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