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妖じゃなく婆娑羅者

第1章 本編00~06【完】


01

今日はお散歩で山から降りて家々を眺める
この世で生まれて400年経ったけど私達、婆娑羅者は年を取らなくなって
気付いたらここは夏目友人帳の世界だと分かった。

「あれ、市さん?」

先日、仲良くなったヒトの子の、聞き覚えのある声に振り向いたら

「あら、夏目くん」

この前、妖に追い掛けられてたのか偶然家にやってきた子と再会した。

「どうしたんですか?こんな所まで」
「ちょっと、お散歩」

山に引き込もってばかりだと太っちゃうでしょ?と
冗談で言ったら笑われた、掴みはオッケー?

「市さん達婆娑羅者?は他の人からは見えるんですか?」
「うん、市も人間だから、姿を消す事はできないの」

果たして、400年も生きてる者がヒトと言えるのかも分からないけどね

「今日はお一人なんですか?」
「ううん、幼馴染みと買い物で来たんだけど・・・」

風がざわついてるって言って何処かに行っちゃったんだよねー
400年経ったら中二臭くなったのは何でだろうね?
風の婆娑羅者だから空気の違和感にすぐ反応するようになったみたい。

夏目くんと話してる間ずっと彼を見る気配がする、多分彼を狙う妖。

公園の人気の無い所まで然り気無く誘導したら、流石に夏目くん気付いたかな。

「市さん?どうしたんです?」
「何かが、ずっと見てる」
「え!?」

『夏目レイコオオオオ!!友人帳を寄越せええ』

夏目くんが周囲を見回し警戒し始めた所で
木の上に居た何かが夏目くんに襲い掛かってきたので
闇の手で取り合えず殴っておいた

『ギャアアアアア!!』

あ、ごめん夏目くん。
闇の手ビックリしたよね

「驚かせて、ごめんね」
「婆娑羅者って凄いんですね」

もっと気味悪がられると思ってたから予想外の言葉に

思わず隙を見せてしまった。

「市さん!?」
「くっ」

殴った妖が私を掴み、潰されそうになった瞬間
私を掴んでる妖の手が一瞬にして斬られた

ああもう、今まで何処に行ってたの。
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