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妖じゃなく婆娑羅者

第1章 本編00~06【完】


ふわっと微笑むお姉さんはとても綺麗で。
居間に促され座って気付いた、さっき的場さんが座ってた所じゃないか!

「あの、俺は夏目貴志と言います」
「その顔に夏目、レイコの孫辺りか」

その言葉にドキリとした、何でこの若いお兄さんが知っているんだ?

「祖母を、ご存知で?」
「あ奴は・・・」「元就、まだ市達の事説明してない」
「すまなんだ、我は毛利元就、こちらが織田信長に其奴は織田信長の妹の市よ」

言われた名前に、頭が整理付かなくなった。え、毛利元就?織田信長?お市?!

「冗談、ではないですよね?」
「残念ながら冗談じゃ、ないの」
「我等は婆娑羅者と言う。戦国の世から何故か生きていてこの様な時代に居る」

高校生だからちょうど勉強する所よね、とお市さんが悲しそうに笑う

「いえ、少し・・・大分ビックリしました」

話を聞いてみたら、婆娑羅者と呼ばれる戦国武将が何故か年を取らずに今まで生きて
陰で政治の関係者等の相談も受けて居ると聞いてますます頭が痛くなった。

凄い、目の前に歴史の勉強で習った大名が居る

疑う余地が無い位、佇まいは優雅で気品に溢れている。

カラリと氷の音が響いてお市さんが冷たいお茶を持って来てくれた

「ありがとうございます、お市さん」
「市、でいいよ貴志くん」
「はい、市さん」
「あの・・・失礼な事でしたらすみません」
「的場の小僧の事であろう」
「あ、はい」

毛利元就は太陽信仰の知将だっけ、聞きたかった事が直ぐにバレて何か居たたまれない

「あの小僧は寄りに依って婆娑羅者の娘を嫁にと言い出してきおったわぁ」
「うわああ、何やってんだあの人・・・」
「案ずるな、返事は既に断っておる」

信長さんの言葉に驚き、元就さんの言葉に安堵した。
的場さんは目的の為なら手段を選ばないと思ってるから心底ホッとした。
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