第1章 流転
十三宮"メーテルリンク"勇@F-35C
「各機、状況を報告して」
サフィルスⅡ"ヘンゼル"@F-35C
「2番機、異常なしです」
サフィルスⅢ"グレーテル"@F-35C
「3番機、特に問題ありません」
サフィルスⅣ@F/A-18E
「4番機以下も同様」
十三宮勇
「メーテルリンクよりサザンクロスへ。先の発光による機器への異常はなし。指示を求む」
落合"サザンクロス"航@F-14D
「こちらでも同様の事象を確認した。核爆発かと思ったが、肝心の熱源が見当たらない。現時点では撤退を許可できない」
十三宮勇
「了解。警戒しつつ任務を続行します。各機、作戦継続よ。星川による宇都宮への越境攻撃は、何としてでも阻止しないと!」
サフィルスⅤ@F/A-18E
「もちろん分かってま…あれ?混線ですね」
星川結
「おい勇姉ちゃん!あたいらは侵略なんかしてねえよ!武器持って湖に遊びに行ってただけだ!そんな事より助けてくれ!」
十三宮勇
「あなた、誰かと思えば結じゃない!で、何が起きてるの?」
岩月愛
「所属不明の勢力より攻撃!政府軍ではありません!」
十三宮勇
「所属不明?赤軍残党のセクトじゃなくて?」
岩月愛
「いえ、『敷島坂東軍』などと称しております。また、兵装には『幕府』といった文字も…」
十三宮勇
「ふざけた名前のテロリストね。航空支援してあげるから、さっさと逃げなさい!岩月さんは敵中突破マニアでしょ?」
岩月愛
「はい、お任せ下さい!お嬢・皆様、どうぞこちらに!」
十三宮幸
「援軍に呼ばれて、合流した結果がこれかよ…総員撤退だ!退却せよ!」
サフィルスⅥ@F/A-18E
「隊長、地対空ミサイルです!」
十三宮勇
「何馬鹿な事言ってるのよ?田舎の賊軍風情がそんな物持ってるわけ…」
サフィルスⅦ@F/A-18E
「…!」
サフィルスⅥ
「ああっ!7番機が撃墜された!」
十三宮勇
「そんな、速過ぎる!それに、あんな命中精度あり得ないわ!」
落合航
「…Maeterlinck、聞こえるか?細かい話は基地に戻ってからだ!今すぐその場を離れろ!」
十三宮勇
「ええ、帰れるならさっさと帰りますよ!地上の子達を御内(おうち)に帰らせてからね!」
この所属不明軍との邂逅が、後に呼ばれるところの「谷中湖畔の戦い」である。