第1章 流転
十三宮幸
「…ようやく、十三宮教会に帰還できた。仁さん、心配を掛けて済まない!」
十三宮"巫部"仁
「謝らなくて良いんだよ!私の大好きなあなたが、こうして無事に帰って来てくれた事、それがめぐちゃんにとって、一番の幸せだから…ありがとう^^」
十三宮幸
「仁さんは本当に善き人だな…聖姉さんも、伊豆半島までの退路を確保してくれてありがとう!」
十三宮"伊豆守"聖
「いえいえ、南船北馬に東奔西走させてしまい、申し訳御座いません。あの『光』が顕れた後、電機が故障してしまい、お姉ちゃん達も連絡に四苦八苦致しまして…」
本来ならば教科書に載るはずがなかった、もう一つの日本列島と、それを舞台に始まるもう一つの日本内戦。ある者は武器を手に取り、またある者は筆を以てこの世界と対峙しつつある中、伊豆半島の相模湾教会は平時の静寂に包まれていた。