• テキストサイズ

【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第25章 IF遙か3〜復活編6(薬師視点・大人??・骸)


「私、10年後にも存在しているんですか?」

「そうなるね」


…嘘、でしょう。

そんな、まさか……私、ずっとこちらの世界にいるんですか?

あちらの世界へは戻れない?骸さんは、嘘をついていたんですか…?


「落ちついて…まずは話を聞いて」

「だって、それじゃあ、私は…」


もう、謙信様たちに、二度と会えないってことじゃ…。

一気に奈落の底へ落とされたような、途方もない絶望感に襲われる。

頭が真っ白になって、視界がぼやけて。


「夢姫、僕を見て」


顔をぐっと上向けられ、まっすぐに見つめてきた綺麗な瞳に。

乱れて苦しい呼吸が、少しだけ楽になった。


「未来はひとつじゃない」


ゆっくりと、静かに紡がれる声に。


「ここはあくまで、可能性のひとつでしかないんだ」


パニックを起こしかけた頭が、だんだん落ちつきを取り戻していく。


「きみが本気で望めば、元いた場所にもきっと戻れる」

「………本当、ですか」


あの世界に帰れるのですか?

みんなに、謙信様に、会える…?


「僕がきみに、嘘をつくと思うの」

「わからないじゃないですか」

「……本当に、昔からいい度胸してるよね。こんな面倒な嘘、わざわざ吐く必要性がみられない」

「それもそう、ですね」


というか、未来でも私は雲雀さんにこんな態度をとっているのか。

自分で言うのもなんですけど、こわいもの知らずで後先考えないですよね。

うん、ちょっと反省しましょうか。


「落ちついた?」

「はい、ありがとうございます」

「そう」


自然と浮かんだ笑みを見せれば、雲雀さんも目を優しく細めて微笑んだ。


「………」

「……きみ、本当に僕の顔が好きだね」


ハッとして、思わず見惚れてしまったのを誤魔化そうと眉間に力を入れる。


「そんなこと、ありませんよ」

「口の端によだれ」

「…すみません」
/ 122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp