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【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第24章 IF遙か3〜復活編5(薬師視点・ヒバード・骸・雲雀)


指先が温かくなるのを感じて目を明けると、手の先から腕へ、それから全身がやわらかな光に包まれていく。

それと同じくして、雲雀さんの体も光に包まれるのが見てとれた。

どうやらひどい状態ではなかったらしく、治癒回復が終われば自動的に消える光は、意外と早くおさまった。


「…きみ、本当に何者なの」

「…ですから、医者の真似事をしている一般人です。それより、体の具合はいかがですか?」


少しばかり驚いているような雲雀さんに確認すると。

目を伏せて、息を吐いて、吸って、また吐いて。


「……なんとも、ない?」

「それは、よかったです」


病人とか怪我人を見たのに放っておくと、なんだかムズムズしてくるんですよね。

これが職業病ってやつでしょうか。


「体調には充分、気をつけてくださいね。それでは、私はこれで…」

「待ちなよ」


隅っこでこっそり待ってくれていたクロームさんのところへ行こうとしたら。

腕をガシッとつかまれて動けなかった。

え?な、なんでしょう?


「あの、なにか?」

「ずいぶん便利な力を持ってるみたいだね」

「いえ、それほど便利というわけでもないですよ」


一度に大勢を治すことはできないし。

重病や重症の人間を治せば、かわりに自分が昏倒してしまう。

蘇生なんて夢のまた夢。


「きみ、年はいくつ?」

「女性に年齢を聞くなんて失礼ですよ」

「……」

「ごめんなさい。とりあえず成人してます」


雲雀さんに向かって無謀すぎました。

静かにトンファー構えるのやめてください、心臓に悪い。

不意打ちくらったら余裕で死にますよ。


「だったら、うちの学校にきなよ」

「え?」

「僕のそばで、その力を有効活用してあげるって言ってるんだよ」


いやいや、どうしてそうなるんですか。

骸さんの条件も厳しいけど、雲雀さんの言い方だと私にメリットというものが存在しない気がする。
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