第24章 IF遙か3〜復活編5(薬師視点・ヒバード・骸・雲雀)
「いつから変態が二人に増えたの?」
「違います誤解ですっ、こっちの変態と一緒にしないでください!」
「クフフフ、ただの変態と思わない方がいいですよ…」
だから変態じゃないですって!
骸さんもいつもなら怒るくせに、どうしてあっさり認めちゃうんですか。
どう言い訳しようかと焦っていたら、どこから取り出したのか美少年が両手に取っ手付きの短い棒をかまえて。
………あああああ!ひばりきょうやって、あの雲雀さん!?
「これ以上、風紀を乱すようなら咬み殺す」
「まま待ってください!!」
「夢姫、僕はお先に失礼します。クロームは任せました」
「ええっ!?」
時間切れなのか何なのか知らないけれど、骸さんはそう言って霧に包まれて。
中から現れたのは、憑依されていたクロームさんの姿。
どどどうしようっ、なんて思う暇もなく構えたトンファーを振りかぶる雲雀さんが目の前にきて。
とっさに見えない防御壁をつくりだす。
……ぎ、ギリギリセーフ!!
なんなんですかこの人、一応まだ一般人のはずですよね?武将並みのスピードってどういうことですか?
「ワオ、やるね……まさか防がれるとは思わなかったよ。物理的な壁なんてなにも見えなかったけど…きみ、何者?」
「一般人です」
「嘘つくつもり?いい度胸してるね」
「ちょっとだけ治癒と回復能力に優れた一般人です!」
嘘じゃないです。ですから、その獲物を見つけた猛獣のような顔やめていただけますか?
戦いには向いてないんですよ、私の力って。
あくまでサポート向きなんです、ついでに言うと運動能力は壊滅的なんです。
スキップスキップらんらんらーん…が、できないレベルなんですよ!
「…赤ん坊の仲間じゃないの?」
「…なんのことですか?」
予想はつきますけど、知り合いじゃありません。
あんなとんでも世界のマフィア関係者なんて、死ぬ気で回避したい。