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【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第24章 IF遙か3〜復活編5(薬師視点・ヒバード・骸・雲雀)



「緑たなびく並盛の〜、大なく小なく並がいい〜」


謙信様、大事件です。

なんと、歌うひよこに出会ってしまいました。


「かーわーいーーー!!」


近寄っても逃げる気配はありません。

これは、数年ぶりに動物に触るチャンス!


「こわくありませんからね〜、大丈夫ですよ〜」


実に怪しげな台詞を口にしながら、ゆっくり、そろーっと手を伸ばして。

その丸っこいフォルムをした体に触れる。

おおお、ふわっふわ!でも、羽の部分は意外と固さもあってしっかりしています。

かわいい、かわいい、かわいい。


「姿が見えないと思えば、何をしているんですか?夢姫、勝手な行動は慎んでください」

「ああ、すみません骸さん」


そうでした。買い出しに付き合ってくれていたんでした。

重たいお米の袋を抱える骸さん、実にシュールで面白おかしい光景です。

謝りながらも、かわいいひよこさんを愛でることはやめない。


「ほら、早く帰りますよ」

「えっ、もうちょっと待ってください。今、ひよこさんを可愛がるので忙しいんです」

「何くだらないことを言ってるんですか。だいたい、こんなところにひよこなんて…」


形の良い眉をひそめた骸さんは、そう言って私の手が動く先を見て驚いたようにわずかに目を見開いた。

どうしたんですか?


「おや、これは見覚えのある生き物ですね」

「でしょう、可愛いひよこですよね」

「違いますよ、これはひよこではありません」


えっ、違うんですか?

たしかに、ひよこが人間の言葉で流暢に歌うなんておかしいけれど。

こちらの世界では、そういうものなのかなと思ったのに。


「どこの世界でも、ひよこは喋りません」

「声に出す前に返事をしないでください」


心を読むなと、何度言えばわかってくれるんですか。


「これが、こんなところに居るとは……面倒ですね」

「なにがですか?」

「夢姫、急ぎましょう。今、彼とやり合うわけにはいきません」

「え、いや、だから何なんですか?」


ぐいっと腕を引っ張り、強引に連れ帰ろうとする骸さん。
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