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【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第22章 IF遙か3〜復活編3(薬師視点・クローム・犬・千種)


ひょいと箸でつまんで見せたのは、二センチくらいの小さく細切れにされた鳥肉。

鶏肉、ではなくて鳥肉。

なんの鳥だとか、突っ込んではいけない。

マトモな収入がないんですから、仕方ありません。

お腹いっぱい食べられるだけ、いいじゃないですか。

しかし。

育ち盛りな少年である犬さんには、ぜんぜん物足りない様子。


「こんらろ肉のうちに入らねーっての!!肉食いて〜、ウシとかブタとかっ」

「はぁ…めんどい」

「…犬、わがままはダメ」


犬さんが、とうとう両腕を振り回して暴れはじめた。

暴れながらも、しっかりご飯は口へ運んでいるのだから凄い。

それに比べて千種さんの行儀のよいこと、クロームさんの優しいこと。

犬さん、少しは見習ってください。

もしくは、ご自分で食材をとってきてくださいよ。

このさい、捕まらなければどんな方法でもかまいませんから。

とは思いつつ、やはり成長途中の少年少女に動物性たんぱく質は必要ですよねぇ。


「千種さん、クロームさん」

「………」

「…何?」


無表情でこちらを見る千種さんと、不思議そうな顔をするクロームさん。

あの……返答に間があるのは何故ですか?

なにか私に不満でもあるのでしょうか?


「お肉、食べたいですか?正直に答えてください」

「食いたいっ!!」

「犬さんには聞いていません」

「ぎゃんっ!!ヒデーっ、差別らっ、柿ピーもなんか言ってやれ!!」

「犬さん、うるさいですよ。…で、食べたいですか?」

「たまになら」

「…油っこくなければ」


表情は変わらずとも、肉に思いを馳せているような感じの千種さんに。

同じく正直に答えたのが恥ずかしいのか、照れたように頬の赤みを増すクロームさん。

よしよし、可愛いきみたちの為です。

ここはお姉さんが一肌、脱いでやろうじゃありませんか!


「犬さん、千種さん、クロームさん。明日は焼き肉でも食べに行きましょうか」


もちろん、安い食べ放題のあるところで。
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