第22章 IF遙か3〜復活編3(薬師視点・クローム・犬・千種)
ぼろぼろの廃墟の中を、タタタッと軽快に駆けてゆく凪さん。
もとい、クローム髑髏さん。
ああ、名前のみならず姿まで随分と個性的になってしまって……涙が出そうです。
ショートの髪は似合っているんですけど、とっても可愛らしいのですけど。
作るのが難しそうなジグザグ分け目に、余計なパイナップルの葉っぱ髪が!!
それにしても凪さん…いえ、クロームさんの現在の服装は黒曜という学校の制服なのですが。
中学生の制服が、あそこまで改造されて良いのでしょうか?
ものすごくお色気仕様なのですけれど、腹チラどころか腹丸出しなのですけれど。
黒曜中の風紀はいったい、どうなっているのでしょうかね?…ああ、骸さんが居る時点でアウトでしたか。
しかし、個人的にはとってもとっても似合っていて好きなのですが、薬師としてはお腹丸出しは気になって仕方ありません。
だって。
だって。
冷えは万病の元って言うじゃありませんか!
特に女性は、手足とかお腹とか腰とか冷やさない方がいいんですよー!!
そんな心の叫びや謙信様への自分語りを胸にしまい込み我に返ると、クロームさんに頼んでいないもう一人をさっさと呼んでくることにした。
せっかくのご飯、温かいうちに食べたいですからねぇ。
こちらでの料理担当は、自然といつの間にか私になっていました。
たぶん、節約節約とうるさかったのが原因かと思われます。
毎回BASARAな世界で培った、自然食材を集めて調理する特技が役立っております。
ただ。
「ええーっ!また草ばっからびょんっ。肉食いてー、肉にくにくにくぅう!!」
「犬、うるさい」
「…麦チョコ、食べたい」
「クロームさん、麦チョコなら買ってありますから、ご飯の後にさしあげます。犬さん、草ではなくて山菜です、れっきとした食べ物ですよ。それに、お肉だって入っているじゃありませんか、ほらここに」