第21章 IF遙か3〜復活編2(薬師視点・骸)
謙信様の元へ今すぐ戻ることはできずとも、連絡だけでもとれるのならば・・・と。
そう思った私は、うっかり・・・・・・そう、本当にうっかりとしか言いようがありません。
骸少年と契約を交わしてしまったのです。
「ク、フフ・・・・・・口が悪いですね。僕は別に、あなたが連絡をとれなくてもかまわないんですよ」
「・・・わ、私だって、あなたの力を借りずとも連絡する手段ぐらい見つけてみせます」
「そうですか。それは・・・クロームも可哀想に」
「っ・・・!」
「バサラが僕を裏切ったと知れば、どんなに傷つくでしょうね」
「・・・・・・」
「クロームにかけている幻覚も、契約の一部だということをお忘れなく」
「・・・・・・・・・卑怯ですよ」
「クハハッ・・・僕はただ、事実を述べているだけです。さあ、どうしますか?」
「・・・わかりきった答えを、わざわざ聞くんですね。性格悪いですよ。契約は続行します。さっさと力を貸してください、このドS」
これほど憎たらしい美少年は初めてです!!
私と彼が交わした契約・・・・・・今あらためて考えてみれば、圧倒的に私が不利な内容なんですよねぇ。
だってですよー?
一,異なる世界へ連絡をとる為の力を貸すのと同等に、上杉バサラの力も貸すこと。
二,六道骸の体の回復を第一優先事項として考え、行動すること。
三,その特殊な事情を秘密にする代わり、犬や千種・クロームなどの面倒をみること。
四,最低限、自分の身は自分で守ること。
五,以上の契約内容に一つでも誤りがあった場合、クロームの延命幻覚作用は失われる。
ほらほら、なんて外道な内容なのでしょうか。
特に五番目なんて、私が凪さ・・・じゃなくて。
クロームさんを見捨てることができないと理解した上で言ってるんですよ?
このパイナッポーなド変態鬼畜野郎はっ。