第20章 IF遙か3〜復活編1(薬師視点・凪(クローム髑髏)・骸)
女の子が悲しそうに顔をうつむかせてしまったので、慌てて頭を下げたら。
きょとん、と不思議そうな表情をされてしまいました。
あ、やっぱり。
とっても可愛いですよ、この女の子!
「あなたのお名前は、なんと言うのですか?」
「わたしの、名前?」
「はい、私は・・・・・・う、上杉バサラと・・・申します」
「わたしは、凪」
「では・・・凪さんと、呼んでもいいでしょうか?」
「・・・うん」
凪さん、かわいいお名前です。
どこかで聞き覚えのあるような気がしないでもないですが。
まぁ本当に、どこかで耳にしただけかもしれませんしね。
気にするほどのことでも、ないでしょう。
「凪さん。どうも私は、自分の置かれている状況をいまひとつ把握しきれていないので・・・もうしばらくの間、こちらにお邪魔させてもらってもいいでしょうか?もちろん、ご迷惑でしたら今すぐにでも来た道を戻りますので安心してください」
「・・・迷惑、じゃない」
ぽそっと、小さいけれど、しっかり聞こえた肯定の言葉。
嬉しくて、にまぁっと笑みが浮かぶ。
「では・・・よろしくお願いしますね、凪さん」
「・・・うん」
少し照れたように頷く凪さんに、可愛いなぁ・・・なんて呑気に考えていた私が。
こちらの様子を、警戒しながら眺めていた人物との出会いにより。
ここがいったい、何処なのかがわかる、決定的な場面に遭遇するまで。
あと、数分。
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「っ・・・・・・」
あの、ジグザグ分け目のパイナップル頭。
青と赤のオッドアイ。
おまけに少年でクフフ、なんて変わった笑い方。
まさか。
まさか。
まさか、ここはっ・・・・・・!
「やぁ、どうもはじめまして、上杉バサラさん。まぁ、これは偽名のようですが・・・・・・異世界から、ようこそいらっしゃいました。歓迎しますよ・・・ク、フフ」
・・・・・・・・・ああ、短い平穏でした。
◆・○・□・○・◇
遙か3な世界から、今度は家庭教師ヒットマンREBORN!な世界へ来てしまった薬師さん。
とても中途半端な時期に、現実世界ではない場所に現れ、うっかり骸さんに目をつけられてしまいました。
クローム髑髏ちゃんは可愛すぎると思います・・・あれで中学生とか、中学生とかっ・・・!