第16章 遥か3な世界へ・四(薬師視点・白黒神子・ヒノエ・弁慶)
…それにしても。
近い。
ちょっと、距離が近すぎやしませんかね?これ。
「えーと、ヒノエさん」
「ん?なんだい、姫君」
美しく整った顔には、悪戯っぽい笑みが浮かんでいて。
素敵さに鼓動を速めながら、今までいったい何人の女性を魅了してきたのだろう?などということを気にしていると。
「ヒノエ、いいかげんにしなさい」
背後にうっすら黒い雰囲気をまとわせた弁慶さんが、にっこり笑顔のまま。
べしびしっ!!
部屋中に響くいい音を立てて、ヒノエさんの手を叩き落としました。
軽く叩いたように見えて、この威力。
恐るべし、弁慶さん。
元、荒法師の名は伊達ではありませんね。
あ、伊達といえば…政宗様たちは、お元気なのでしょうか…?
△・○・□・●・△
八葉のみんなや神子さまたちはきっと良い香りがすると思います、だって美形だから(変態的思い込み)。
結局バサラ呼びに堪えられなくて、熊野に着く前にごめんなさいしながら名乗り直した薬師さんでした。