第9章 真田忍隊(薬師・佐助・会話のみ)
「前から思ってたんだけどさぁ」
「はい」
「夢姫ちゃん。あんた、俺らのこと怖くないの?」
「俺ら?」
「そ、俺ら。だってさ、忍だよ」
「忍だったら、怖がらないといけませんか?」
「んー…そういうわけじゃないけど、変だよな」
「まぁ、変だという自覚はありますけど……そうですねぇ。怖いところを見ていないからかもしれません、たぶん」
「実際、自分が危ない目にあってみないとわからない、か」
「ええ」
「ふーん」
「だって、私の知っている忍って、皆さん親切だったり優しかったりしますから」
「へ?」
「かすが嬢って、本当は可愛らしい人だし」
「…まーね」
「佐助さんも、認めた相手には優しいし」
「…そう、かな」
「小助さんは、笑顔で薬草取りを手伝ってくれますし」
「え…」
「才蔵さんは、こけそうになるたびに何度も助けてくれるんです」
「………」
「あれ?佐助さん、どうかしました?」
「………なんでもない(頭いてぇ…)」
この後、真田忍隊の頭から十勇士へ、ちょっとした注意があったそうな。
○・●・○・●・○
小助=穴山小助。才蔵=霧隠才蔵。どちらも十勇士の一人…だった筈。
いつの間にやら、勝手に十勇士がいる設定。
頭である佐助は「忍がなにやってんだよ!?」と突っ込みながら、他人事のように話を聞き流している部下に頭を痛めていると面白いなぁ。変人揃いだといい。