第35章 事故チューその後・弐(薬師視点・かすが)
でも。
事実だったら。
ものすごく、嬉しい。
「好きにしろ……それに、返す必要はない」
「では、頂いちゃいますよ?」
「……好きにしろ、と言った」
「はい。ありがとうございます、かすがさん」
「っ…………も、もう行くぞ!!」
今度こそ、部屋を出るなり姿を消したかすが嬢を見送り。
手拭いを隅から隅までじっっくり眺めていると。
「…………あっ!」
細い金糸で。
これまた小さく目立たない。
かすが、という字を見つけました。
「……ふっ…………くふふふぅー……」
気色悪い笑いがこぼれて。
私の顔が変に緩んでしまうのも。
無理はない、と思うのです。
▽・▲・▽・▲・▽
朝起きたら、目の前でクナイを翳したかすが嬢とか不整脈起こしそうなほど怖い。
でも実は、ただのツン率の高すぎるツンデレさん……いやツン率だけじゃなくて危険度も高いですね。
心の奥底では謙信様とは別腹で夢姫さんラブ!な可愛いお人だったりします。このお話の中では(希望願望)。