第30章 IF遙か3~復活~戯言編3(薬師視点・人識)
「えーと、殺人鬼も人なんですから人間に心があるなら当然持ち合わせているでしょうと」
「待て待て。殺人鬼は殺人鬼だろ、文字のごとく殺人する鬼だろ」
「何をおっしゃる兎さん、何をおっしゃる人識くんですよ。それを言うなら、殺す鬼の人とも鬼をも殺す人とも読めるじゃないですか」
「強引すぎるだろ」
「いつでも強引Goodマイウェイなあなたが、なに細かいことを言ってるんですか?日本語がちょっとできるからって言葉の意味を完全に理解しているだなんて思い違いも甚だしいですよ。百万光年、ウ×トラマン光年早いです」
「造語ばっか増やすなよ、そのうち辞書でも作る気か?ちょっとどころか物心ついた時から使ってる母国語だっつの。×ルトラマンどっから出てきた、長さがわかりづらいから減点100」
「せっかく広大な宇宙から出てきてくれたのに、点数ないじゃありませんか。酷いです」
「酷いのは、あんたの脳内だろ。わざとらしくボケを量産してくんのやめろよな」
「いやぁ、すみません。人識くんが素敵に突っ込みを入れてくれるものですから、つい嬉しくて楽しくて」
骸さんや雲雀さんや見た目可愛いのに恐ろしい赤ん坊さんとか……少し前までは、自分がボケる余裕なんて隙間なんて1ミクロンもありませんでしたからねぇ。
人様からツッコミを入れられるだなんて、新鮮すぎて夢のようです。ああ、なんて楽しいんでしょう。
幸村さんで遊んでは佐助さんにツッコミと言う名のお説教を頂いていた頃を思い出します、懐かしい。
「ぃ、おいって!」
「うぁはいっ!?」
突然ガッと頭をつかまれて、思考が強制的に中断された。
いきなりアイアンクローとか、びっくりするじゃないですか。
私なにかしましたかね?バクがムネムネしちゃいましたよ、ああ心臓に悪いなぁ。
「なにボーッとしてんだよ、道場破りならぬ店破りでも始めるつもりか?」
「はい?」
道場破りとか店破りとかいったい何を……って、隙間から見た目の前にガラス扉がありました。
うわお危なぁあ!!