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【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集

第10章 ★サンタクロース (月島 蛍)


「…い。蛍ってば!起きてよ。お仕事で疲れてるのはわかるけど…起きろー!」

身体を揺さぶられて目を覚ますと、目の前に和奏のドアップがあった。

あれ?
僕まで寝ちゃったのか。

んーっと軽く伸びをして目覚める。

ここ…どこだ?
さっきまで居た和奏の部屋じゃない。

「やっと起きた。早くサンタの衣装に着替えてきてよ!昔の約束だって守ってもらうからね。」

和奏が紙袋に入った赤い布を押し付けてくる。
なんだか…和奏の雰囲気も違う気がする。

「なんで僕が…。」

寝起きで頭がよく回っていないのか、ふわふわした気分だ。

「またそんな事言ってるの?蛍がやらないで、誰がやるの?サンタさん来ないと泣いちゃうかも。」

誰が泣くって言うんだよ…。

そうは思いながらも、なんで僕はサンタの衣装に袖を通しているんだろう。

知りもしない家なのに、ガチャっとドアを開けるとそこがリビングだって事を感覚的に知っている。
変な気分。

「うわー!サンタさんだ!!ママ、サンタさん来たよ!」

ドアを開けた途端に足元に1人の男の子が駆け寄ってくる。

クルクルの癖っ毛は僕にそっくりで、クリッと大きな目は和奏にそっくり。

「そうね。今日の為にいい子にしてたもんね。」

ママと呼ばれて答える和奏に、何故だか納得がいく。

あぁ、この子は僕と和奏の子供だ。

「あのね、サンタさん。僕、パパとママの言うこと聞いていい子にしてたんだよ!僕も大人になったらパパみたいに大きくて強くなれるかな??」

思わず男の子を胸元まで抱き上げる。

「なれるんじゃない?もっともっと頑張ったらね。」

「うん!僕、頑張る!!」

ニッコリと笑顔で応えてくれる。
その様子を和奏が嬉しそうに笑ってみていた。

「いい子にはプレゼントあげなきゃね。メリークリスマス。」

メリークリスマスって台詞も、この真っ赤な衣装も…全く僕らしくないけど、男の子のキラキラ光る瞳を見ていたら、悪くないって思えた。
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