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【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集

第10章 ★サンタクロース (月島 蛍)


「って…なんて夢見てるんだろう。」

ボーッとした頭のまま横を向くと、見慣れた和奏の顔があって、ちょうど目を開けるところだった。

「蛍…。私、寝ちゃった?ごめん。」

寝起きなのに、ワタワタと慌てている様子が可愛い。

夢の中の和奏も素敵だったけど…こっちの和奏の方が僕の物って感じがする。

思わずギュっと抱きしめて、横になる前に枕元に置いておいたプレゼントに手を伸ばす。

「和奏、メリークリスマス。」

和奏が包みを受け取りながら、キラキラした瞳でこちらを見てくる。

「蛍、ありがとう!」

「ぷっ…同じ顔…。」

目の前の和奏の表情と、夢の男の子の表情が重なって、思わず吹き出してしまう。

「えっ…なんで笑われたの!?私、何か変だった?」

またワタワタと動き出す和奏の頭をくしゃりと撫でる。

「なんでもないよ。それより、ケーキ食べようよ。」

「あっ、うん!用意するね。それに、私も蛍にプレゼントあるんだ。」

ベッドから抜け出して身支度を整える和奏に、ふと思いついた事を提案する。

「ねぇ、サンタクロースの衣装…僕も着てあげてもいいよ。」

「えっ、今から!?」

期待のこもった眼差しがこちらに向けられる。

「違うよ。だいたい、衣装無いし。」

「じゃあ…来年??」

和奏がちょっと不満げに頬を膨らませる。

「違う。いつか…子供が産まれて、僕と和奏がその子のサンタクロースになる時。」

大きな瞳が更に見開かれて、その後、笑顔とともにキュッと細められていく。

「約束だよ!」

昔の約束だって守ってもらうからね!

今より少し大人びた和奏は僕に向かってそう言っていた。

「変な事だけは物覚えいいよね。」

いつか、そんなクリスマスが来ればいいとか本気で考えている。

Merry Christmas.
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