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【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集

第1章 ★バレンタインデー (月島 蛍)


「ねぇ、本当にこれでおしまいって事ないよね?これだと去年の義理チョコより扱いが酷いんだけど。」

蛍が袋に入ったクッキーをプラプラと揺らしながら、ソファーに腰掛ける。

バレー部の皆と一緒に部活後に渡したクッキーだ。
それだって、チョコレートよりクッキーの方が義理っぽくて、皆に配っても蛍が怒らないんじゃないか…とか、一生懸命考えて作ったものだ。

「それだって、一生懸命作ったんですー。」

「一生懸命作った物を僕以外の奴に渡すとか…ありえないでしょ。」

クッキーにした意味なし!
何を配っても、蛍はヤキモチ妬くよね…。
そんなヤキモチさえも嬉しく思ってしまう。

「そんな意地悪言うなら、本当にバレンタインチョコあげるのやめちゃうよ!」

嬉しいと思っている事がバレないように強気に返すと、蛍が急にソファーから立ち上がる。

「ごめん。和奏が他の奴にクッキーを渡してるのが嫌だったんだ。義理ってわかってるけど…それでも。もう言わないから、許してよ。僕、本当に和奏からのチョコレート楽しみにしてたんだ。」

ギュッと後ろから抱き締められ、頭の上から蛍の声が降ってくる。

よかった…後ろからで。
だって…こんな真っ赤な顔見られたら恥ずかしい。

「わかった…から。今渡すから、蛍はソファーに座ってて。」

蛍を軽く振りほどいて、キッチンに向かうと、蛍も聞き分けよくソファーに座る。

冷蔵庫の中にある蛍へのバレンタインチョコを確認する。
大丈夫。きっと喜んでくれるはず。
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