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【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集

第1章 ★バレンタインデー (月島 蛍)


ってか、周りの女子の視線が痛いんですけど…。
この中にチョコレートを置き去りにされた人がいない事を願うしかない。

蛍が言いたい事はわかる。
思いが通じあって初めてのバレンタインだ。

去年までは義理だとごまかしてきたチョコレートも、今年は本命だと堂々と渡せる。
今までは本命だとバレないように、あまり気合いの入ったチョコレートは渡さないように気を付けていた。

でも…だからこそ、今年は中途半端な物を渡すわけにはいかないのだ。

でも、蛍があんなに催促してくるとは思わなかった…。

「ったく。あいつ、全然皐月の立場とか考えてないだろ。」

前の席の椅子を引き、影山君が座る。

「あはは。本当だよねぇ。このチョコレートも…どうしたらいいんだろう。」

「なぁ、やっぱり月島なんかと別れた方がいいんじゃないか?」

私の疑問なんかは無視で、影山君は自分の言いたい事だけを伝える。

「へへ。大丈夫だよ。心配してくれて、ありがとう。」

影山君には、そういう言葉で濁すことにした。

だって…蛍がこんなに私からのチョコを欲しがっているという事実が嬉しいなんて…恥ずかしくて言えるはずがない。

言ったところで影山君が理解してくれる気もしないし。

早く放課後になればいいのに。
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