【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集
第3章 プロポーズの前に (孤爪 研磨)
皐月 和奏と出会ったのは、高校2年に上がったクラス替えのタイミングだった。
まず見た目が…あぁ、クロがこういうタイプ好きだよなぁって感想。
話してみると良く言えば素直、悪く言えば…愛想がない。
しっかりと自分ってやつを持っていて。
全く男に媚びる気なんて無くて、クロの周りに居るような馬鹿みたいにキャーキャーうるさい様な連中と全く違って…嫌いじゃないと思った。
クロの好みのタイプだから、見てるだけなんて言い訳作って、気が付けば事あるごとに皐月の事を目で追いかけていた。
クロと同じタイプの子が好きとか…最悪だ。
でも、クロは皐月の事知らないから…だからクロなんて関係ない。
そう…思っていたのに。
オレが温めて来た数ヶ月なんて、クロには一瞬で超えられる壁で…。
たった一度見に来た部活の、
たった一言の言葉で
たった一回の笑顔で…
クロはいとも簡単に皐月の心を奪っていった。
皐月の方までクロが好みのタイプだなんて…それってオレには可能性も無いって事でしょ。
いっそのこと、2人がとっとと付き合っちゃえばいいのに…とさえ思った。
でも、それからの2人は…もどかしいというか…そうか。滑稽だった。
何を間違えば、そんな行き違いが起こるのかってくらいすれ違って…皐月はたくさん泣いてたね。
付き合い出してからも、すぐに心配になっちゃう皐月と、呆れるくらい鈍感なクロ…。
上手くいかない事もたくさんあったよね。
それでも皐月はブレる事なくクロの方を好きで居続けたね。
そんな君が…ずっと好きだったよ。