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まだまだ青い白鳥たち

第2章 気付き


「…っていうことがあったんだけど」
「…。」


翌日。私はチームメイトでもあり、中等部時代から一番付き合いの長いリカコに、昨日の牛島の行動を聞いてもらっていた。リカコはリカコで男バレの2年生に片思いをしているから、私達はこの手の話を結構することが多い。


「だーー!面倒くせぇ!牛島が意味深な行動する度にこの相談受けなきゃいけないの!?牛島って3組だよね、ちょっくら聞いてくるわ!」
「バカなの!?本人に聞けないからリカコに相談してんでしょ!?」
「バカはアンタ達でしょうが!」


うっ…!何も言い返せない。牛島は私と一体どうなりたいんだろう。そして私も牛島とどんな関係を望んでいるんだろう。私は今のままでも充分だと思っていたんだけど…。昨日の牛島の真剣な顔を思い出すと心臓は勝手にうるさくなってくる。


「だからさ、本人と話をするのが一番なんだって。私はその場に居なかったから二人の空気も分かんないしさ」


机に置いてあったパックのジュースをじゅーっと飲みながらリカコは不満そうな顔をする。そりゃそうだ。その場にいた当事者の私でさえよく理解していないのに、リカコに分かるはずが…


「あの、緑川さん」


私とリカコの前にクラスメイトの女子が立ち、申し訳なさそうに声を掛けてきた。


「緑川さんって女子バレー部だったよね?男子バレー部の一年生とも交流あったりするかな?」
「まあ、それなりに…」
「私、実は学園新聞作るサークルやってるんだ。今年の男子バレー部はみんな優秀って聞いたから特集組みたくて。誰かに口利きしてもらえないかな?」
「そっか。それなら牛島かな。男バレ一年生のリーダーなんだけど、牛島に聞いてみれば大丈夫だと思うよ」


私がそう告げた瞬間、クラスメイトは少し浮かない表情になった。


「…緑川さんからお願いってしてもらえないかな?牛島くんって、その、威圧感がすごくて。初対面の私からじゃ頼みにくいというか…」


…言いたいことは分かる。ものすごく分かる。まあ、このぐらいならお安い御用だ。


「おっけー。今日部活終わりにでも聞いてみるよ。確認取れたらまた声掛けるね」
「ありがと!今度お礼するね!」
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