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まだまだ青い白鳥たち

第11章 これからもずっと(最終章)


牛島は真っ直ぐ私の目を見つめながら続きを言った。


「どちらかが死んだ時や想定外の事故が起きた時、必ず別れはやってくる。人の気持ちも永遠ではない。ずっと共に過ごせるというのは約束してやれない」


…まあ、もっともな意見だ。それでも今はお前が一番可愛いとか好きとか、そういう言葉が欲しかった。牛島に何も期待はしてないけど。


「…だが」


まだ続きがあるみたいで、私は苦笑いを牛島に向けた。


「なるべく長く、なるべく共に過ごせるように、互いに努力をすることはできる………そんな答えでは駄目か?またお前は俺から逃げてしまうか?」


牛島は事実しか言わない。飾り気のない言葉に嘘はなく、これが今の牛島の最善の答えなのだろう。


「……ううん。一緒に頑張りたいって、そう思ってる」
「…そうか」
「うん。あ!そういえば…」


私はふと大分前の学園新聞を思い出した。牛島と高岡さんが抱き合っている写真。あれは一体…


「ねえ、牛島。去年の夏合宿、高岡さんと何かあったの?」
「……互いに努力をすべきと言っただろう」
「何ソレ!?言えないようなことしてたわけ!」


ギャーギャーと男バレ体育館前で騒いでいると、新入生達が続々とやってきた……先輩の威厳を保ちたかったのに。牛島のせいで面子が丸つぶれだ。


「…あの、牛島先輩。実力テストを受けさせて頂きたいのですが。こちらで大丈夫でしょうか」
「…一般入学の生徒か」
「はい。白布賢二郎といいます」
「ついてこい」


そう言うと牛島は私を放り出してさっさと体育館へ入っていってしまった。残されたシラブくんと他一年生と私。気まずくてヘラリと笑いかけてみると、


「…ヘラヘラしてると、牛島先輩の相棒の座は俺が貰いますよ」
「へ……?」


本当に人生って分からない。新入生の女子を警戒していた途端、まさかライバル視してくるのが男子とは。
負けてられない。私も次のインハイではレギュラーに入らなければ。


「…なーにアレ?面白いの入ってきたじゃん」
「ちょ、諸越ちゃん早くなつみちゃん連れてってよ。女バレのメニューもうさっき始まってたヨ」
「げっっ!!なつみ―――――!早く――!」
「リカコ何やってんの。早く行くよ」



「…あんたのそういう所、牛島に似てきて嫌だわ」



~fin~
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